観覧車

日時計から針が消えていく
せまる闇を緩やかに
空へのぼっていく観覧車
潮に軋むソファ

さっきから ただ海を見ている
高く高く 連れていって
見過ごしてしまう瞬間を
全て受け止めたい

こうしてひとりで過ごすことに慣れて
彼の面影 辿っても
今じゃ 懐かしくて
帰る場所はそこじゃなくて
それはとても自由だけれど

海を襲う冬の寒さに
恋が終わる音が聞こえた

海と空の境に浮かぶ
遠い舟は星のよう
鼻が痛くなる冷たさに
光が滲んでる

さっきから ただ闇を見ている
深く深く 飲み込んで
約束も夢も泡のように
海へと沈めたい

こうしてひとりで過ごすことに慣れて
彼の温度を 探っても
今じゃ 感じなくて
帰る場所はそこじゃなくて
それはとても不思議だけど

夜を襲う冬の寒さに
強くなれる
そんな気がした
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