金魚すくい

さらさ らいや 手のなるほうへ
さらさ らいや おいでおいで

えっちらとやったんしょ おっちらとやったんしょ
どちらとやったんしょ こちらとやったんしょ

多摩川の鳥居をくぐり抜け、お祭り。
ぼんやり重い空気 に ピンクの提灯
取り残されたよな感じの九月

かかとがちょい高くなった
あたしの形。

最中落とし 金魚すくいを
いつからかしら 、、、したいと思わない。

さらさらいや 手のなるほうへ
さらさらいや おいでおいで
さらさらいや どっちの水が
さらさらいや 甘い甘い

あのとき 袋の中の小さな金魚
あたしの人さし指だけ、が
支えてた。
おめでとうが欲しい まるで誕生日
いまは持ちきれない願い
で、
帰り路。

水をたんまり すくいあげては
何ものこらず 、、、君だけ想った。
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