別々の帰り道

あれからどれくらい 時が経っただろう
住み慣れた町を離れ 好みの映画も
見る夢さえ変わった

「愛した分だけ傷付くのがイヤ」
いつもどこか臆病な僕を
どこまでも愛した人

あれは秋の夕暮れ
人ごみの中
聞き覚えある
懐しい声

偶然だった 君を見かけた
何も言えず ただ手を振るだけ
髪も笑顔もあの日のまま
ためらって 少しだけ振り向いた
別々の帰り道

「何にだってなれる、どこへだってゆける」
そんな言葉たちや 温かな胸に
いつも甘えすぎてた

あれは秋の夕暮れ
人ごみの中
見覚えのある
君の横顔

突然だった 息が止まった
幸せそうだね 隣にいた人
肩も背中も あの日のまま
せつなくて 少しだけ振り向いた
別々の帰り道

君と過ごした 2年5ヶ月
幼くても ひたすら愛した
いつかきっと また会えるね
何も言えず ただ手を振るだけ
髪も笑顔もあの日のまま
色あせた 思い胸に歩いた
別々の帰り道
×