輝くサラダ

「パプリカなんて添えたら映えるのにね」

サラダを作る時の君の口癖

野菜は冷えて洗いたて 太陽と水滴が瓜二つだ

赤青黄色同士が右を見て、
そこにあるのは遅刻してきたシーザードレッシング
「待たせた!すまん!」なんて笑顔で平気で言うから、許すもなにも、
とにかくさあサラダを始めよう

嬉しい眩しいくらいの君の輝くサラダを、優しいよね、泣けてきちゃうよ

海や陸を超えて、集められた野菜が
嬉しそうに光ってる
君のつたなき包丁さばきや、人差し指の絆創膏や
全部全部輝く

君の作るサラダはなんだかさっぱりしてるね 美人だね 手が綺麗だ

後ろから添えたくなるその手を 美しいあごのラインを指でなぞれば
サラダにサラダにサラダに

僕はいつだって風呂上がりのような顔で行く
銀行や携帯の支払いや全部二人で行きたい
その帰りにスーパーマーケットで買い物しようよ
素敵で純粋な国々から取り入れた野菜、それが

輝くサラダ
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