偶然ね

赤いレインコート
混んだ快速電車 Ah
肩の後ろあたり
まさか あなたの声だわ

いくつもの駅をとばして時が過ぎる
身動きさえ出来ない

偶然ね 窓に映るあなた
男の友だちと話している
こわいけれど声をかけようかな
それとも気付かれぬように
うつむいてるの?

外は強い雨よ
次の駅で降りたら Ah
二度と縁はないわ
それが二人のためなの?

耳をすましたら私の名前言って
逢いたいよって 嘘でしょう

偶然ね 傘の先でツンと
背中をつつきたい気分になる
揺れる電車大きくよろめいて
あなたの靴を
思いきり踏みつけたのよ

偶然ね 顔と顔があって
あなたは言葉も失ったまま
あとは私 神さまにゆだねて
ニッコリ微笑みかけるの
ウインクをして
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