失墜のフラジャイル

秘密の窓から
花曇りの空に 病める月
どこまでも堕ちる
深い深い記憶の底へ

悪い夢に揺り起こされて
寄る辺なき朝 波の随に
繰り返される世界に ひとり
ぼくは残されたまま

果敢ない幻は どうして
眩むほどに
この腕が 届かない場所へ

未知の窓の外
暗い暗い闇を追いかけて
走って 走り続けても
辿り着けない

美しい日々も 微かな痛みも
ヴィネットで眠らせて

鏡に隠した リトグラフ
甘い毒で
充たされる 不可思議の國

未知の窓の外
暗い暗い闇が騒めいて
走って走り続けても…

思い出せない あなたの声
憂う 虚の果て
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