想い出のからたち日記

こころで好きと 叫んでも
口では言えず ただあの人と
小さな傘を かたむけた
ああ あの日は雨
雨の小径に 白い仄かな
からたちの花

くちづけすらの 想い出も
のこしてくれず 去りゆく影よ
単衣の袖を かみしめた
ああ あの夜は霧
霧の小径に 泣いて散る散る
からたちの花

からたちの実が みのっても
別れた人は もう帰らない
乙女の胸の 奥ふかく
ああ 過ぎゆく風
風の小径に いまは遥かな
からたちの花
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