さいはて噺し

海からひゅるひゅる 舞いこむ吹雪
のれんをくぐれば 客ひとり
柳葉魚(ししゃも)を炙(あぶ)る 煙(けむ)のなか
俺を見つめる その女(ひと)は
派手な服着て 髪を染め
なれたしぐさで 酒をつぐ…

訳あり女が 赤提灯に
情(なさけ)の一文字 書きいれて
だれかを待って いるという
そんな噂が 気にかかり
途中下車した 港町
俺のあいつじゃ ない女…

どちらをまわって さいはてですか
流氷みたいな 旅ですか
明るく笑う つめたさよ
俺のあいつは どこにいる
今度逢ったら 離さない
やけに熱燗 身にしみる…
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