潮岬情話

沖へゆくのは 佐吉の舟よ
今朝は別れて いつまた逢える
いくら好きでも 添えない人を
なんでこうまで 好きになる
ハァー潮の岬に 灯台あれど
恋の闇路は 照らしゃせぬ

逢えば短い 逢わねば長い
一夜泊りの 情けがにくい
ここは大島 串本一と目
飛んでゆきたい あの人に
ハァーわしのしょらさん 岬の沖で
波にゆられて 鰹つる

わたし飼われた 夜啼く島よ
生きているさえ 悲しいものを
波は磯打つ 港は暮れる
つらや恋しや 胸しぼる
ハァー熊野灘から 荒滝よせりゃ
涙糸ひく 天野の川
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