くちべに挽歌

いのちのかぎり 咲いたとて
さだめに散らす 花もある
そっと着物の 襟に吹く
夏の終わりの 別れの風に
秋が淋しい おんな町

添えないならば 死にたいと
怨んで泣いた 夜もある
爪のさきまで 燃えながら
愛を重ねた 夢から覚めて
口紅がせつない わかれ町

一途な恋を 失くしたら
心の中に 冬がくる
人の噂の 裏通り
古い女と 指さされても
思い切れない みれん町
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