夏のためいき

昨日までの嵐が 嘘のような朝ね
9月の空に 雲はひとつもない
折れた傘が扉に 情けなくもたれて
ゆうべのことを リアルに映してた

やけに 遠回しな サヨナラの言い訳
涙も浮かべずに 黙って聞いてた

夏のためいき 風の向きが変わってく
抱きしめていた 届かない言葉は「そばにいて…」
乾いてしまう心に
あなたの潤いが 欲しかった

いつも通りに出かけ 部屋に戻るまでは
気が抜けなくて 笑顔さえ見せてた
ラベンダーの香りは 心を癒すため
でも眠れない 夜は越えられない

いつも 二人で顔出した あの店は
あなた感じるから 行けないよ もう

切りすぎた髪 からかわれて ケンカした
レシピ見ながら 時間かけて 作ってたディナー
想い出は愛しくても これから愛してはくれないね

恋が 友達よりも 遠ざける
もう会えないのなら なぜ出会ったの?

夏のためいき 風の向きが変わってく
抱きしめられた 熱い肌が冷めてゆくように
少しずつ離れてゆく
心に目を伏せる 夏だった
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