陽炎忍法帖

終わりなき破戒の咎
棕櫚に汚泥を塗りたくる
伽藍堂の苑には
噎ぶ声が轟く

其れは慙死の思いと
此は讒毀の報いと
彼は陽炎の刹那に
淀みゆく只一片の靨

陽炎忍法

心無き所業の果て
揃い集う罪人ども
鶯に啼く声は
黒き冥府に呑まれ

其れは慙死の思いと
此は讒毀の報いと
彼は陽炎の刹那に
淀みゆく只一片の靨

陽炎忍法

其れは慙死の思いと
此は讒毀の報いと
彼は陽炎の刹那に
崩れゆく只一片の靨
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