女がひとり

貴女を死ぬ程 愛したことは
今でも本当に 幸せでした
季節(とき)は流れて 十年過ぎた
辛かった 辛かった 女がひとり
仮の塒(ねぐら)は 雨ばかり

貴女を一度は 怨みもしたが
やっぱり切れない 未練の心
寒い北風 吹く今頃は
辛いのよ 辛いのよ 女がひとり
胸の傷(いた)みに すきま風

貴女と暮らして はじめて知った
人の情の 気高(けだか)さを
大事に抱(かか)えて 明日から
辛くても 辛くても 女がひとり
生きて行(ゆ)きます いばら道
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