photograph

手帳にいつも隠してある
あの人の写真
少しも色褪せることはない
石垣のある公園の桜の下
晴れているけど まだ少し寒そう

人は誰もがいつか旅立つと
わかってるつもりでいたけれど

何気に眩しいその笑顔眺めれば
静かに一筋涙はつたい落ちる
大事な誰かがいるなら
皆そうでしょう
もう一度会いたい たったそれだけ

あんまり本を読まない私だったから
少し離れてその本棚を見る
長い物語がひしめき並んでいる
いつかプレゼントしたのは木の栞

埃を踊らせる優しい陽差し
ゆっくり深く息を吐き出して

勇気をしぼってページをめくってみる
あなたの足取りを追いかけるように
カレンダーを後ろにめくっていけるのなら
もう一度会いたい たったそれだけ

何気に見つめているうち いったいどれだけ
時間が私をすり抜けてゆくの
行き場をなくした愛情を今はただ
この胸にそっとしみこませる

誰にも言わない 叶わぬ夢と知ってても
何もないままじゃ明日を待てない
大事な誰かがいるなら
皆そうでしょう
もう一度会いたい たったそれだけ
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