駅までの帰り道

「とりあえず駅まで送るよ」
まだ受け入れたくなくて
いつもより遅いスピードで 歩幅合わせて歩く

いつものように左側にいる君はまるで他人みたいな空気
ずっとまとったままで 無言の会話が続く

色んなことが伝え足りない
だけどもうどんな言葉も響かない
揺るがない固い決意に 気付いた僕は空っぽになった

「バイバイ」 そんな言葉 僕は本当に言えるだろうか
こんな時まで カッコつけてる自分がいる
本当は今にも子供みたいに泣きじゃくりたいのに

あの交差点を曲がったら もうすぐ着いてしまう
こんな日常の一コマが 僕らのゴールなのか

沈黙さえ愛しいと思えた はじめてのひとだった
だけど今日の沈黙には 押しつぶされそうだよ

「バイバイ それじゃあ またね」
今はもう意味の無い言葉
改札の人波が 僕をよけて流れてゆく

振り返らず行く 君を見ていた
動けないまま
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