夏の鈴

白い 日傘くるり
蒼い 影がくねり
汗と 目眩の中
よどむ…風が かすむ…時が

あの木陰まで ゆけば
あの木陰まで ゆけば

だけど歩けば 歩くほど
遠ざかってゆく ゆらゆらと

鈴の音が… チ・リ・リ
どこか遠く… チ・リ・リ

教えてやろうか その道は
堂々巡りの 狐道

謳え 砕けるまで
蝉の 銀の羽根よ
足の 下はいつも
抜け殻達の 作る道よ

灼けた土は 続く
灼けた土は 続く

だけどこの足 痛みなど
感じた事など ありゃしない

鈴が鳴いた… チ・リ・リ
胸の奥で… チ・リ・リ

教えておくれよ 生きてゆく
この足に罪の 有りや無しや

日光写真の 被写体に
心なんかは 無くていい

鈴が呼んだ… チ・リ・リ
道の下で… チ・リ・リ

このまま地面に 焼き付いて
木陰は遠くに なるばかり
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