冷たい街

眠ってるきみにくちづけをして
まどろみに酔いながら 蕩けてたいの

ひと夏の恋に胸躍らせて
飽きるまで欲しがった 情念のまま

身体だけが満たされても 荒む心に気付いていながら
目を逸らして逃げてばかり
ただの戯れ そう言い聞かせて

きみがいなきゃ馴染みの街も
誰もが皆 知らん顔してる
手を繋いで歩いた舗道
想い出の店は 人影もなくて

突き放す言葉 不穏な時間
拗ねたまま黙り込む いつもの癖ね

きみの未来には私はいない
他人だと知ってても募る虚しさ

二度と来ないつもりだった 改札抜けて飛び込む景色は
秋の匂いに包まれて 冷ややかな風が頬を撫でてゆく

きみがいなきゃ馴染みの街も
誰もが皆 知らん顔してる
手を繋いで歩いた舗道
想い出の店は 人影もなくて

きみがいなきゃ馴染みの街も
まるで知らない 異国の迷路
土砂降りの中佇むけれど
戻れはしないね とても冷たいな
×