なみだの宿

想い出の 想い出の
湯の街あかり
女ゆえ女ゆえ 涙にぬれて
さよならを さよならを
告げたあの夜

汽車がくる 汽車がくる
わかれを連れて
海沿いの海沿いの さびれた宿に
泣き虫の 泣き虫の
影がくずれる

いやだよと いやだよと
泣いてたあの娘
いやだっていやだって ゆかなきゃならぬ
湯の街に 湯の街に
咲いた恋花

矢絣(やがすり)の 矢絣の
似合うほそい娘
おまえにはおまえには 母の田舎で
針仕事 針仕事
させておきたい
×