幻を抱きしめて

お前の倖せを 祈りながらも裏腹の
別の夢がこの心を 切なく苦しめる
戻って来るのなら もしもやり直せるのなら
俺はいつもドアの鍵を 開ける用意がある
女々しさと 言われても
たとえ未練と呼ばれようと
会いたくて ただ会いたくて
幻を抱きしめながら
今も同じ街の部屋で静かに眠る

最後の雨の夜 しのび泣くだけのお前を
愚か者の俺は一人 冷たく見送った
男の悲しみは 取り返せない後悔を
忘れられず捨てることも 出来ず詫びるばかり
女々しさと 言われても
たとえ未練と呼ばれようと
夕暮れの 改札口に
消える背中を目で追えば
遠い愛の日々をそっと数えて生きる

…お前をずっと…
×