有明海

流せなかった 幾千粒の
なみだは海に 捨ててきた
胸にのこった 傷あとは
逃げずに生きた 証だろ
有明海に 陽が沈む
こころの闇を しずかに照らし

何も語らず 教えてくれた
親父の背中 思いだす
攻めて勝つのは 運の良さ
守って勝つが 強さだと
有明海に 星が舞う
孤独を友に 夜空を見れば

鉛色した 波間に一羽
カモメの白さ 君に似て
たった一つの 真実を
つらぬき通し 生きてゆく
有明海に 陽が昇る
はてない闇を 消し去るように
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