夕月

鴎が啼いてる 磯浜に
ほのかに浮んだ 夕月が
あなたと私の 別離(わかれ)の影を
じっと黙って 見ていたの
月は雲間に 隠れても
別れの涙は 波まに残る

東京恋しや あの空に
ほのかに浮んだ 夕月よ
山脈(やまなみ)越えて 都へゆこか
ゆけば会えるか しあわせに
月にきいても おぼろ夜の
雲にきけよと 答えるばかり

見知らぬ都の 日暮れ時
流れの岸の 夕月が
あなたと私の ならんだ影を
じっと黙って 見ているの
会ってみたけど しあわせは
雲間にかくれて 消えていたのよ
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