悲しみの宿

「悲しみにたえかねて 旅に出ました
あなた 私は今 北日本の小さな宿にいます」

波の音にめざめて 二度と眠れないのよ
北の海は今夜も 暗く荒れているわ
生きていても私は 仕方ないの今では
好きなあなたに あげた命だったの

「幸せはなぜ短かいの
そうして 悲しみはなぜすぐに来るの」

夜はいつか明けるわ どこにひとりゆきましょう
北の宿で三日も 泣いていたの私
帰るとこはないのよ 暗い海が呼ぶだけ
あなた一人に 生きた女だったの

あなた抱いてほしいの 一度だけでいいから
好きなあなたに あげた命だったの
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