無重力

こんな
迷える運命を
救済する
導く腕などない

前に
立ち塞がる定めを
制裁する
光の声などない

絶望のエントランスに
私は置いてきぼりで
システムは頑丈に
あなたの解除を待つの

落下する心が浮遊して
重力がわからないよ
あなたの引力に縋り付く
いつも私は
陰で泣いて強くなろうって決めた

こうやって

こんな
儚い感情を
それでも
失ってしまいたくない

後ろに
繋がった記憶を
それでも
忘れてしまいたくはない

時計のエクスプレスは
止まっても戻ってもくれないで
システムは頑丈に
あなたの解除を待つの

落下する涙も浮遊して
重力がわからないよ
あなたの引力に倒れ込む
いつか私は
この足でちゃんと立とうって決めた

こうやって

ちかちかと点滅する心臓の熱を
奪っては与えて何を試してるの
不安の糸が絡まっている
解れた先から逃げて行く

こんな
意識より前に咲いた花を
失ってしまいたくないの
あなたに見つけてもらえる様に
この無重力の暗い海の中で
星のかけらの中で
息をするのがやっと
飲み込んでしまいたくないの
全てが愛しいの
涙も愛しいの

愛して気付いたの
その重力を
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