川千鳥

爪弾きの 爪の先まで あなたの彩に
染めて淡黄の 袋帯
同じ思いか 雲間の月も
柳がくれの 三味線の音に
やせてやつれて 誰を待つ
  
夢でいい 夢でいから 逢わせてほしい
切火盛塩 縁起かつぎ
島田くずして 化粧をおとし
あなたひとりに お座敷じゃ
見せぬ素顔を 見せてやる
  
あてもなく あてもないまま 観音さまに
廻り道して 願かけに
遊び上手は 承知の上で
いつかはまった 恋の渕
飛ぶに飛べない 川千鳥
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