うちにサボテンはないけれど

久しぶりの休日君に起こされる朝
思いっきり僕の布団を剥がす
こちとらまだ眠いのに…なんて思いながら
はしゃぐ君を横目に寝ぐせを直すよ

今日は僕の代わりに
家に居てくれるものを
見つけるんだから!って息巻いて
僕を連れまわす君

陽だまりがいつも暖かいように
君の存在も当たり前に
思うようになっていたよね
さびしくさせてごめんね
こうして二人街に出かけて
並んで歩くのも久しぶりだったね
うれしそうにはしゃいでる
君のことやっぱり好きなんだ

仕方ないけど私だってさびしいんだよって
そんなのわかっているつもりでも
仕事と私のどっちが大事なのよとか
若い子のヤキモチじゃないんだからって甘えてた

街中歩きまわって
あれでもないこれでもない
まるで付き合ったばかりの頃の
デートみたい苦笑い

突然歩く足を止めて
ガラスケースを覗きこむ君
「これがいい!」って指差したのは花の咲いたサボテン
「枯れない愛」が花言葉なの一緒に居られない時でも私は
アナタのこと想ってるから!
愛しくて思わず抱き寄せた

人は願いが叶った途端に
奇跡の価値でさえも見失って

陽だまりがいつも暖かいように
君の存在も当たり前に
思うようになっていたよね
バカな僕でごめんね
花の咲いたこのサボテンと
君が仲良くなり過ぎないように
これからは君が笑っていられるように
一緒にいるからね
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