ホワイトレインコートマン

黒い雨にきみが濡れないよう
ホワイトレインコートになって
きみを守りたいよ

孤独の雨に打たれないように
ハッピーアンブレラになって
遮りたいよ汚れた空

20xx年
突如現れた怪獣が
たくさんのものを
奪っていった
壊していった

怪獣退治は激化し
後に残ったのは
荒れ果てた街と
核弾頭の残骸

何もなかったかのような
ガスマスク越しの斜陽
ああまた汚れた雨雲がやってきた

黒い雨にきみが濡れないように
「ホワイトレインコートになって」
きみを守りたいよ

寂しさの雨に打たれないように
「ハッピーアンブレラになって」
遮りたいよ汚れた空

ここは安全です
ニュースキャスターの
シニカルな微笑
ネジが外れた
グランジな世界で泣いている
きみを救えるかな

暴れる怪獣きみを守るため
「ウルトラメンになって」
なだめるとしよう

嘘つきな政治家きみを守るため
「独裁者になって」
死刑にしよう

世界の嘘に
殺されるまえに
逃げ出そうよ
どこか遠く
きみとふたりで
とんでいきたいな
嘘ばかりの国で
きみを愛す真実だけ
抱いていく

きみの声が遠くなっていく
おいていかないでよ

祈りは届かない無力なヒーロー
「バッドエンドで迎える」
歪なエンドロール

“これが現実です”それでも生きていく
「笑って生きてね」
きみが最期に言った

黒い雨が透明になる未来
世界がわらっていますように

歓びの雨が降り注ぐ日まで
きみを忘れないよ
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