愛してると言うまえに

月の雫
払うように
そっと脱いだ
服の波

ほどけた肌
影に潜め
君は時を
止めたがる

ことばで探しても
届かない場所に
もしも孤独が
あるのなら

愛してると言うまえに
もっと君をください
心を埋めるものが
心だけとは限らない

それを夢と呼んでいいはず

溺れるほど
深い海が
君のなかに
打ち寄せる

耳にふれる
息をたぐり
二人どこへ
流れ着く

幸せ欲しがる
誰もがわがままで
どうせきりなど
ないのなら

愛してると言うまえに
もっと君をください
涙でわかることが
つらいだけとは限らない

それを恋と呼んでいいはず

愛してると言うまえに
もっと君をください
心を埋めるものが
心だけとは限らない

それを夢と呼んでいいはず
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