スーパーマーケット・ブルース

ウチの店長の説教はやみくもに長い 道理で品揃えが悪いわけだ
制服のデザインも流れるBGMも ああ俺を死ぬ気にさせる

レジのケイちゃんのファンデはあまりにも暗い
頭上の蛍光灯とあいまって幽霊みたいだ
いつも笑顔でいるけど 周りに誰もいないと
本当に死んでるように見える

「五千円札一枚入りまーす」
「ばかっ 万札の時だけ言えと何べん言えば」
「時期慣れるわよ ファイトだよ!」
「どうもすいませんでした、だけど俺…」

この生き地獄から抜け出したい こいつらの面見る度そう思う
青白い箱の中に だんだんと同化してる俺 こんなんじゃだめだ
あいつらの面 あいつらの面が

鮮魚コーナーの兄ちゃんは少し足りない
ケイちゃんにしつこくって俺のことを笑う
どんな夢を語ったって たたっ切られて冷やかされてしまう
ああ俺を死ぬ気にさせる

同期のモトさんも一緒になって笑う 二人きりの時は一緒に悩むのにさ
そのくせ待ち受けの女性のことをからかうと
それはそれは死ぬほどキレる

「ごく一握りの人たちさ、お前なんか挨拶もできないじゃねえか」
「違いない あきらめなよ あきらめな(笑)」
「…モトさんもその女諦めろよな」

この生き地獄から抜け出したい こいつらの笑み見る度そう思う
瞬く間に時は過ぎてゆく ビクついている俺 こんなんじゃだめだ
あいつらの面 あいつらの面が
あいつらの面が ああ俺を死ぬ気にさせる
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