Friends

これは僕の右腕、寝息を立てる
僕の知らないもう一人の君
「あんまり優しくしないでね」
まどろみの中、吐息のように
カーテンが壁を撫でる

鏡にごし目が合った君がいたずらに微笑む

僕の背中に手を回して
「動かないで」って君は言う
シャツに残ったくちびるの跡、キラキラ輝いて
はじまりも約束もない あるのは終わりだけ
でも今、答えが知りたくて飛ばしたメッセージ
お願い お願い
「今夜も会えるよね?」

シャツの裾引き寄せて抱きついた
「行かないで…」

「嘘だよ」笑う
少し悲しそうに
靴の上脱ぎ捨てたヒール並べて
振り向きざまに突然のキス

確かなものは何もない
僕のせいで 壊れてしまうのが怖いから
ずっと待ってる だから言ってよ
メールでも電話でも言葉じゃなくてもいい
一度でも「好き」と言ってよ
嘘でもいいから

帰ってきた僕のメッセージ
鍵のかかったままの扉
追い越した僕のかすれた声

最後はこんな気持ちかな、いつも考えてた
そして、思ってるよりずっと辛いんだね

僕らしくないからやめた
書きかけたメール読み返す
続きは何となくでよかった
そばにいられればよかった

僕の背中に初めて手を廻した
君の気持ち今なら言えるのに
だけどもうここには、君はいない
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