夕子のお店

拝啓一筆 夕子は門前仲町(もんなか)に
この度小さな お店を出しました
別れてずいぶん たつけれど
偶然うわさを 聞いたのわたし
あなたが元気で 暮らしていることを…

ダークの背広が 大人に見えました
父親早くに 失くしたわたしには
ネオンの谷間に 咲いた花
悲しい涙も ながしたけれど
あなたに想い出 いっぱいもらったわ

男の名前で 差し出すこの手紙
奥さんに見られちゃ 困ると思ったの
夕子が死ぬほど 惚れたのは
あなたの他には いないわ誰も
昭和の時代は 遠くになったけど…
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