あいのけもの

淡い思い出に 色褪せぬ続きを望んだ
夜明けを待つ“けもの”

帰り道を無くした 貴女の顔を覗き込んで
不器用に笑うよ

口笛を吹きながら のばらの咲く道をゆく
行く先も結末も 変わることはないよ

思い出すのは 夜の残像
滲む瞳のその引力を 映画みたいな風景のこと
嘘みたいだろう?

ここにいるのは今日の残像
ゆれる瞳のその奥からまた、ぽろり
涙がこぼれたら

花束で飾って 友達を今日も見送った 涙に溺れる“けもの”
手も足も伸びきった貴女をその肩にのせて 別れの時を知っている

それならばこの先にも 踏み出してしまえばいいよ
高い空から落ちたら同じ海に浮かぼう

思い出すのは 夜の残像 嘘をついてくれたんだろ
雨が降るままにまかせて 流れてしまおう
ここにいるのは 僕の残像 痛む背中に触れた指先
また涙がこぼれたんだ

思い出すのは 恋の残像 帰り道を間違えたら
茜色に染まる体をぴたりとつけて

ここにいるのは あいのけもの 空か海かわからない夜を 沈んでゆく

思い出すのは 夜の残像 滲む瞳のその引力を
映画みたいな風景のこと 嘘みたいだろう?

ここにいるのは 今日の残像 揺れる瞳のその奥から
また、ぽろり 涙がこぼれたら
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