花屋敷炎上

あれは寒い霜月の夜
母に売られた十五の私
恐る恐る門を開いた
そこは遊郭、花屋敷

女を売って男が舞う
表と裏の世界が交わる
右も左も分からぬ私が
初めて舞った 満月の夜

さぁ
乱れましょう
燃やしつくせ
踊りましょう

果てるまで
何度でも
何度でも
何度も愛が溶けるまで

愛しましょう
愛しましょう
この残酷な夜をさあ

愛を知った二十の夜
全てを投げ捨てたい夜でさえ
あの人の事を想い喘ぐ
残酷な夜も受け入れましょう

淫らな夜にそれは起こった
蝋燭の火が着物に燃え移り
あっと言う間に部屋は炎上
花屋敷は一夜で夢の跡

さぁ
乱れましょう
燃やしつくせ
踊りましょう
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