雨、照らす

そして彼はどこへゆく
真夏の風は雨に揺られ
湿る土の匂いに
体を預けた
なぜなぜなぜだろう
このまま消えてく
秋の気配はまだ
遠い向こう

戻れない 戻らない今が
昨日に変わる
その繰り返しの中を泳いでく
戻れない 戻らない今が
雨に溶けてく そんな景色を見つめて
眠くなって 蝉の声を聴く

トンネル抜けたその先は
見たこともない草原と
牛の背中に生えている羽が光ってた
そして廃墟を越えたら大きな池に
泳いでいた君の姿にウィンクして
釣りをやってたんだ

ほらほら大きな
影がもうすぐそこ
手が届きそうなところで
目覚めた

戻れない 戻らない今が
昨日に変わる
その繰り返しの中を泳いでく
戻れない 戻らない今が
雨に溶けてく そんな景色を見つめて
眠くなって 蝉の声を聴く

さよならを言えないまま
この世界はまた終わりを迎えるんだ
ありがとうも言えないまま
この夏の一瞬が 昨日のバス停の君が

戻れない 戻らない今が
昨日に変わる
その繰り返しの中を泳いでく
戻れない 戻らない今が
雨に溶けてく そんな景色を見つめて
眠くなって 蝉の声を聴く
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