くろかみ

十八の くろかみを
ほどかせた あなたよ
旅さきの 慰めか
泣かされて また春がゆく

片だより 書きました
指先も やつれて
くちずさむ 恋うたを
潮風にのせ 届けたい

やるせない 島の夜
月冴えて ねむれず
こがれ飛ぶ 浜ちどり
死ぬよりも なお哀しかろ

夢みれば 夢に泣き
いとほしい あなたよ
島つむぎ 織りながら
いつか来る船 待つわたし
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