記憶の悪戯

近頃なんとなく、君を思い出す
いま頃どこで、どんな風に暮らしている?
これでもあの時は悩んでたんだ
顔を見る度、胸が苦しくて

でも記憶の仕組みはよくできてるもので、
不都合なことだけが時間に洗われてゆく

あれからどれくらいの
日々を過ごして来たのだろう?
気づけばそれぞれの
道を歩き出していた
想い出、それはきっと
立ち止まらず進むために、
心が書き変えた
遠い日の物語さ

傷つけた言葉や、届かない思い、
泣いた理由は、みつからない忘れ物さ
けれどその疑問は、決して消えずに、
しあわせになるための鍵になる

あの不器用な日々があるから今がある
そう言い切れた時に、すべてが許せるのだろう

誰もがおなじように
喧嘩したり、すれ違って、
出会いと別れとを
繰り返し、生きてるんだ
なにより大事なのは
いまの自分の宝物
かけがえない人を
大切にしていくこと

しあわせになりたい、と
あの日のぼくらが
そっと託したメッセージ

いまなら、振り向いても
胸を張っていられる、かな
こんなにたくさんの
微笑みに包まれてる
なんだかせつないけど
たぶん君は忘れてるね
記憶の悪戯は
いつだってそんなもんさ
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