桜樹のささやき

まだ深い眠りの森で待つ
桜の蕾 凍えてる
誰にも知られず 過ぎゆく春を見てる

まだ青い月光の森の中
水面に映る 影一人
漂う花びら ためいき沈むばかり

やるせない思い 抱きしめて

立ち止まる足音 聞こえたの
桜の蕾 見上げてる
あなたのまなざし 心に春を告げる

閉ざされた迷路の片隅で
消えそうな私 連れだした
あなたの優しさ 生まれ変われる予感

今 あなただけを信じたい

まだ霞む景色に包まれて
震える蕾 触れたから
心の扉は はじめて春を招く

笑いあう二人を追いかけて
風に花びら舞いあがる
小さなよろこび 降り積もる春の恋

ずっと 信じていて いいですか
×