おんな船唄

船が出る日は 指までやせる
「可哀想に」と かもめが啼いた
いいえ 心は いつでも一緒
港はるかに 網ひく人と
共に船唄 うたうのさ

時化(しけ)が続けば 噂も絶える
「忘れちまえ」と 男が誘う
いいえ 便りが なくてもいいの
胸に残った 温もり抱いて
恋の船唄 うたうのさ

北の波止場で ただ待つ暮し
「馬鹿な女」と 霧笛が笑う
いいえ 馬鹿ほど 一途になれる
好きなお酒の 陰膳(かげぜん)すえて
おんな船唄 うたうのさ
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