北海船うた

怒濤逆巻(さかま)く 北の洋(うみ)
今日も出てゆく 沖底船(おきそこせん)
船殻(がら)は100トン そこそこなれど
北海トロール 俺らの命

修羅場さながら かけ廻り
意地と度胸の 大勝負(おおしょうぶ)
獲物逃(にが)さぬ 手応えたしか
海が育てる 俺らの魂(こころ)

酒と盃 酌み交し
唄は十八番(おはこ)の 男節
笑う宴(うたげ)に 朝日が映える
親子三代 俺らの誇り

舳先(へさき)向けるは 知人岬(しりとざき)
空にたなびく 大漁旗
妻子(おまえ)待ってる ふるさと港
くしろ底引き 俺らの意気地
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