浜風

浜風冷たく 吹き抜ける
日暮れ象潟(きさかた) 日本海
北へ線路を 戻ったら
すぐにおまえに 会えるのに
信じて待って いるだろか
岬灯りが また揺れる

おまえをホームに 置いたまま
あの日別れて 来た俺さ
そばのやすらぎ 捨ててまで
どこへ流れる ただひとり
面影抱けば 酔えなくて
港酒場の 夜が更ける

耳元かすめる 浜風は
泣いておまえが 呼ぶ声か
女ひとりを 幸せに
できぬ男の 身勝手さ
今さら詫びて 何(なん)になる
沖の漁り火 また揺れる
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