しのび唄

女の夢と あなたの未来(あした)
秤にかけて 泣いてます
身を引くことは 倖せでしょか
三味の乱れを 十六夜の
月に聴かせる しのび唄

あなたにいつか 解かれた帯が
泣いて身をやく 薄化粧
強がる術(すべ)も 知らない女
雪見障子を そっと引きゃ
縁に舞い散る 恋落葉

姉さん女房の 柄ではないと
指輪を包む 紅袱紗(べにふくさ)
包みきれない 未練は燃える
つのる思いが 手鏡に
影を浮かべる しのび唄
×