天球トロイメライ

黄昏に 凍てる藍(あお)が
滲む 天(そら)の汀(みぎわ)

降りてくる 宵の垂帳
散りばめた玻璃玉(びいどろ)

言葉は星を 繋ぐように
曖昧な像(かたち)を みせても

この夜に 見上げた穹(そら)
描いた 未来(ゆめ)の欠片
重ねてく 青写眞(サイアノタイプ)
一つ星 結ぶ約束

硝子ごし 浮かぶ星座
指で辿りながら

恒星(ほし)の生命に 較べたなら
時代(とき)はただ刹那の 瞬き

宙(おおぞら)の 銀板へと
写した 記憶(ゆめ)の欠片
色褪せた 単色写眞(モノクログラフ)
思い出は 遠い囁き

天球は 廻る歯車
奏でる トロイメライ
螺子を捲く 時代(とき)の子午線
胸の奥 響くカリヨン
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