北の旅愁

手紙一つ残し 都会に別れを告げ
痛めたこの胸 抱きしめながら
人恋しさに 降りたつ駅よ
あなたのいそうな さびれた町は
雪もいまだ残る 冷たい町よ

遠い夕陽見つめ あなたの心を知り
おもわず手折った 浜木綿の花
愛することは 忘れることか
一羽の鴎が 海峡越えて
恋のかなしみなど 連れ去るだろう

汽車は何も知らず なまりの海辺をゆく
デッキであなたの 名前を呼べば
あの日のうたが 又よみがえる
あなたを遠くで 守ってやると
胸にそっと聞かせ 流れゆく旅よ
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