朝霧みなと

額あじさいの 咲く路地を
抜ければ海辺の 朝霧みなと
舟が出てゆく あの人の
想い出乗せて カモメを連れて
泣かぬと決めた 決めたはずなのに

行き交うひとの お早うに
笑顔でこたえる 朝霧みなと
生きてゆくには あの人を
こころの隅に 置いてちゃ駄目ね
忘れて生きる 生きるはずだから

魚(さかな)市場の にぎわいが
淋しさつのらす 朝霧みなと
未練なんかじゃ ないけれど
あの人きっと いい人だった
あたしにだけは いつもやさしくて
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