真冬の人魚

濁った蒼と 銀色の星
冷たい欠片 積もる砂の城

息苦しくて たどり着けなくて
これ以上これ以上 手を伸ばしてても

声を失っても あなたに
伝えたかったのは
のみ込まれてしまった 哀しい旋律
息も乱れるほどに
あなたへ 潜っていたのね
叶わないものは 消えてゆくだけ 泡のように…

堕ちてく月を 追いかけ壊れ
痛みが泳いで 静寂の中を

今を失っても あなたを
傷つけられない
深い底へと向かう 鋭いナイフと
涙もわからぬ闇
果てない 淋しさ埋めて
沈んださよならは 聞こえない 真冬の人魚

愛を失っても せめて夢で結ばれて
白く染まる波に 見えなくなってく

声を失っても あなたに
伝えたかったのは
のみ込まれてしまった 哀しい旋律
昇る朝日と共に また生まれ変われたら
祈るわあなたの 傍にいさせて

凍える身体 いつかは抱いて

同じ世界で…
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