港町情話

行くなら抱いてと 命をかけて
あんたの愛を ひきとめる
おんなはいつも 見送るだけね
ああ霧笛 泣け泣け

雨よ降れ降れ わかれをかくせ
夜明けがせかせる 港町

旅路の荷物を 投げこむように
ころがり込んで 来たあんた
一と夜の夢が 情けにかわり
ああ春は菜の花

秋はすすきの しあわせぐらし
入船 出船の 港町

背中で物言う あんたが憎い
ポロポロ落ちる 恋泪
わたしの敗けよ あんたを待つわ
ああ鴎 啼け啼け

ついて行け行け 荒海はるか
男と女の 港町
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