4月某日

僕はこの手で罪を犯して
君ははじめて僕を抱いた
温もりのその先で霞んでく笑顔

酸素が抜けた心
“もう君はこの世にいない”

春一番が街を吹き抜けた
あの日の夕暮れに僕を連れ去った
心にもない泪が流れて
気が付けばこの木の下

“僕の汚れた手で何が出来るの?”
君の冷たい手を握って
忘れられぬ温もり 舞い散る桜
吹き止まない風

心にもない泪は溢れて
いくら拭いても拭いきれなくて
汚れた泪も流れ流れて
“つぎの泪は奇麗だといいな”

淡い光 透明の水 土の匂い
いつだって此処に来れば君が包み込んでくれる気がした

ある日の僕と君が歩く街
あの日の桜の木の下に立って
君への想いは此処に流し切って
僕はひとり歩き出す

春一番が 心 吹き抜けた
あの日の夕暮れを呼び覚ますように
君との泪はもう乾ききった
僕はひとり歩き出すんだ
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