雪子

雪子の夢は 白い雪
いつもはかなく 解(と)けてゆく
嘘さえ見抜けぬ 小さな瞳
流れて北へ 行くと言う
雪子 雪子
いのち悲しい 風の花

何かを探し ただ一人
泣いて雪子は 生きてきた
不幸で磨いた 小指の白さ
変われる明日(あす)も 術(すべ)もない
雪子 雪子
名前悲しい 冬の花

雪子の春は 寒い春
あやめの五月に 雪が降る
恋しい故郷(こきょう)に やすらぎはなく
頼れる人も 今は無い
雪子 雪子
それは私の 宿命(さだめ)花
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