浮雲

軒先を叩いて 降る雨が
一重 二重に 重なって 身をゆする
秋でもないのに 散る枯葉
女ごころの 写し絵か
心細さに指の先まで 凍(こご)えそうです
運命(さだめ) 悲しい 浮雲
あなた答えて 答えて

足もとにほどける帯の文字
あなたその手を投げだして 抱きしめて
夏でもないのに 飛ぶ蛍
燃えて悲しい夢のあと
おとぎ話の きれい事だけ 残したままで
ひとり 見送る 浮雲
連れて行ってよ 行ってよ

冬でもないのに 雪が舞う
泣けとばかりに つきささる
一人舞台の 恋ははかない 肌が恋しい
運命(さだめ) 悲しい 浮雲
あなた 答えて 答えて
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