鎌倉物語

鎌倉よ何故 夢のような虹を遠ざける
誰の心も悲しみで 闇に溶けてゆく

砂にまみれた 夏の日は言葉もいらない
日陰茶屋では お互いに声をひそめてた

空の青さに 涙がこみあげる
こらえきれず 腕をからめ
少女の頃に 彼と出会ってたら
泣き顔さえ 真夏の夢

秘密にならない 二人の秘め事
他人の空似が 乾いたマニキュア映して

鎌倉よ何故 夢のような虹を遠ざける
誰の心も悲しみで 闇に溶けてゆく

いつも私は 大人になれなくて
踊る胸に 浮気な癖
彼にもう一度 くちづけされたなら
涙声さえ ならないでしょう

泣かないつもりが 笑顔になれない
あの日の思い出溢れる 江の電見つめて

砂にまみれた 夏の日は言葉もいらない
日陰茶屋では お互いに声をひそめてた
×