紅水仙

列車を乗り継ぐ 旅路の駅に
こころ迷わす 春の花
似合うと貴方に 褒められた
口紅色した 紅水仙よ
愛していりゃこそ 身を引く恋は
なおさら荷物が 重くなる

小さな指輪も 外してみれば
軽さ寂しい くすり指
幸せでしたと 口紅で
鏡に残した 走り書き
暮らした月日は 短いけれど
笑顔でめくった 夢暦

急げば間に合う 乗り継ぎなのに
わざとひと汽車 遅らせる
戻っちゃだめだと 叱るよに
小さな首振る 紅水仙よ
未練に負けたら 貴方のために
流した涙が 嘘になる
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